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  • 東雲祐月

終幕

 改めまして、「劇団くじら座」主宰、東雲祐月と申します。ブログ記事では、ずいぶん久しぶりだと思います。永らくご無沙汰していたこと、お詫び申し上げます。


 このたび、「ティアマトの星影」はティラノゲームフェス2020において佳作をいただくことができました。

 これも、ひとえに応援してくださった皆様のおかげです。本当にありがとうございました。

 当初、ノベルゲームコレクションで作品を公開する予定ではありませんでした。それが、紆余曲折を経て公開することになり、こうして多くの方々に触れていただくことができました。胸がいっぱいになってしまうほど熱のこもった感想をいただくことも多々ありました。自分が観測できる範囲での感想はすべて拝読しましたが、本当に幸せな体験でした。この場を借りて心から御礼申し上げます。彼女たちの物語に寄り添ってくださり、本当にありがとうございました。

 

 この作品はひとりでは到底作り上げることができませんでした。ゲームをプレイしていただいた方はエンドクレジットをご覧になったかと思いますが、本当に多くの方々に制作を手伝っていただきました。ここでわずかながら紹介させてください。

 まず、ティラノビルダー/ティラノスクリプトというノベルゲーム制作の敷居がぐっと下がる素晴らしい「場」を不断の努力で提供してくださっている、シケモクMK様。

 何物にも代えがたい素敵なBGMの数々をご提供くださり、物語の演出に深みを与えてくださったマルチクリエイターのYukiMuma様。

 唯一無二の歌声で作品の世界観そのものを表現してくださり、主題歌のみならず作品そのものに生命を吹き込んでくださったボーカルの夕季森灯様。

 数々のBGMのアレンジ・仕上げに加え、これがなければ本編第二部が成立しなかったと言えるBGM「ほわいと」を提供してくれた、中高時代からの付き合いになる後輩のやまだ。

 急なお願いだったにもかかわらず、確かな実力で主題歌2曲を完璧に調整してくれた、同じく後輩のでしべる。

 今回が初めて本格的に動画を制作したとは思えないほど素晴らしいオープニングムービーに仕上げてくれた、同じく後輩のこいけ屋くん。

 エンディングムービーのための素材制作が追いつかないなか、こちらの無理なお願いにも快く応じてくれた東雲の中高時代の同期、Mi Cat。

 書いても書いてもシナリオ作業が追いつかず脳の機能が停止していた東雲に代わって上がったシナリオを根気強くチェックし、物語上の矛盾点を洗い出すとともにリライトのための助言をくれた、創作仲間の篠縡其祈(しのことそき)さん。

 制作の最終盤という一番苦しい時期にデバッグ作業を快く引き受けてくださった未酔さん、ぺんてむさん。未酔さんには2020年2月のコミティアにおける体験版頒布の際にもたくさんお世話になりました。

 背景画像でご協力いただいたのみならず、SNS上でもずっと応援してくださった「サークルこばと」総長・湯殿たもとさん。たもとさんのおかげで、東雲はいつも救われていました。「サンライズ」の制作、陰ながら応援しています。

 システム面で何度も助けてくれた彩度さん、ごでぃばさん。彩度さんにはBGMループの件でも最後までお世話になりました。

 初期のロケハンに同行してくれ、いくつもの重要な背景素材の写真を撮影してくれた大塚希海さん。

 デザインそれ自体が星の光と星座をモチーフとした、これ以外にはありえないと思えるような素敵なタイトルロゴを制作してくれたゆんさん。

 すべての皆様に、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。皆様の助けがなければ「ティアマトの星影」が世に出ることはありませんでした。快く力を貸してくださり、本当にありがとうございました。


 そして、苦しい中でも最後まで一緒に「ティアマトの星影」を作り上げてくれた「劇団くじら座」の3人。演出・スクリプト・プロデューサーの水無瀬綾那さん。サウンドディレクターのけいゆうさん。イラスト・グラフィックほぼすべてをひとりで手がけたひといさん。

 彼らがいなければ、「ティアマトの星影」が世に出ることは決してありませんでした。全員が持てるすべてを出し尽くしたからこそ、ここまでの熱量を持った作品を作り上げることができたのだと思います。ここでお礼を伝えさせてください。みんなとゲーム制作ができて幸せでした。本当にありがとう。

 

 少しだけ私事を書き連ねることをお許しください。

 この企画における活動に終止符を打つためにこうしてまとまった文章を書いているものの、自分の気持ちがいまだにどこにあるのかがわかりません。この作品に込めた想い、公開してから感じた想い、そして、今この作品に抱いている想い……。どれも、言葉にしようとすると頭が真っ白になる。心が空っぽになってしまう。そんな状態が、作品公開から半年以上経った今でも続いています。だから、応援してくれた方々への感謝の気持ち以外、気持ちを言葉にすることが今は難しいのです。ティラノゲームフェス2020が終了しても、ずっとごあいさつできていなかったのも半分はこうした理由によるものです(もう半分は私生活の方がバタバタしていたためもあります)。

 だけど、ここで一区切りとしなければなりません。自分自身が、次の一歩を踏み出すために。

 

 Keyの「AIR」に衝撃を受けたあの日から、自分の中で何かが変わりました。ノベルゲームという物語の在り方を鮮烈に認識したあのときを結節点として、これまでの自分・これからの自分を構成するすべてがノベルゲームというフォーマットに流れ込んだのが「ティアマトの星影」という作品なんだと思います。だからでしょうか、この物語はどこか歪です。何かが欠如した、不完全な作品です。

 だけど、だからこそ、触れた人の心に何かを残すことができる大きな力を持った物語なんだと信じています。そして、書き手である自分自身を遙か高いところまで連れていってくれた、大切な作品です。

 自分はこれからも、この物語を胸にしまい込んだまま進んでいくのだと思います。先の見えない暗闇の道ですが、彼方に燦めく星影がある限り、手を伸ばし続けていきたい。今はそう思えるのです。

 

 これからのことについて。まず、自分の中で整理がついたら「ティアマトの星影」に関する設定開示やテーマの深掘り、随所に盛り込んだモチーフの数々、そして書かれなかったシナリオの補完をしていきたいとは考えているのですが……。需要があれば……。

 そして、「劇団くじら座」として新作を発表する予定は今のところありません。もし新作が発表されたとしても、メインスタッフに私の名前はないと思います。寂しいですが、もともと「ティアマトの星影」を制作するために集まったサークルなので、致し方ないのかもしれません。

 私自身、ノベルゲームのシナリオを書くことはしばらくなくなると思います。ひょっとすると、これが最初で最後になるかもしれません(縁があったらまた書きたいという気持ちはあります)。

 今後は、かねてより掲げていた目標に向けて個人で創作を続けていきます。長く苦しい孤独な旅がまた始まりますが、今は早く自分の中にある物語を形にしたくてウズウズしています。

 そして、自分自身がこれからも創作を続けていくことで、「ティアマトの星影」が星の光のようにずっと燦めく作品で在り続けていってほしいと心から願います。

 

 改めまして、「ティアマトの星影」をご愛顧いただきまして本当にありがとうございました。また、別の新しい物語で皆様とお会いできる日を心待ちにしています。



 星降る丘のふもとにて

 東雲 祐月

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メインシナリオ完成!(仮)

こんにちは、シナリオの東雲です。 このたび、無事にメインシナリオが上がりました! ……とは言いつつも、まだ修正作業が残っているわけですが。トホホ 修正作業を除けば(これが実に重いんだな)、残すところはグランドルートのみとなりました(これも実に重いんだな……)。 ラストスパート、駆け抜けていきたいと思います^^ 「ティアマトの星影」は、当初の予定通り「ノベルゲームコレクション」に投稿するつもりです。

企画から一年……一年!?

お久しぶりです。 「劇団くじら座」主宰の東雲祐月です。 2月に「コミティア」に出させていただいた体験版を手に取ってくださった皆様、本当にありがとうございました。遅ればせながら、この場を借りて厚く御礼申し上げます。また、ダウンロードにてプレイいただいた皆様におかれましても、本当にありがとうございます。 感想をお寄せくださいますと団員一同心から喜びます。もしよろしければ、ぜひ当団公式ツイッターもしく

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